調査結果:子どもは,どのような人をより記憶するの?

本調査では、子どもがどのような行動をとる人の顔をよく覚えるのかを調査しました。 調査では、3歳の子どもに、以下の4種類の動画を見せました。

  • 良い行動をする 人(例:自分の食べ物をあげる)
  • 悪い行動をする人(相手の食べ物を奪う)
  • びっくりするような行動をする 人(例:食べ物を耳から食べる)
  • 普通の行動をする 人(例:口から食べ物を食べる)

その後子どもたちに、先ほど行動した人物の顔と新しく出た顔を対呈示しました (下記図を参照ください)。

その結果、子どもたちは、良い行動をした人物の顔をより長く見ることが明らかになりました。このことから、3歳の子どもたちは、良い行動をした人物をより記憶する可能性が示唆されました。

本調査の結果は、子どもがどのような人物を選択的に記憶するか、子どもの記憶方略を明らかにすることができ、これまで謎に包まれていた幼児期健忘 (3–4歳児前の記憶を意識的に想起できない現象) の生起メカニズムを解明することに繋がる可能性があります。