◆ BOLDコラム第5回 ◆

お茶の水女子大学人間発達教育科学研究所所属で、学部は心理学科、大学院は心理学コースを担当しております上原です。

近年、幅広い年代のお子さまに関する心配事としてよく耳にするのが、スマートフォンやSNSの利用です。そのような中、昨年、様々な画像や文章を作り出せる生成AIが大きな話題となりました。同じく昨年あたりから、メタバース教室やメタバース登校の取り組みも始まりました。今後、AIやメタバース、VRなどの技術が生活や教育現場に、より一層入り込んでくるのは確実です。SNSのあり方も大きく変わっていくでしょう。そうした技術にどう向き合っていけばよいのかは、社会全体でもまだ手探りの状態ですが、子ども達の養育や遊び、学習に及ぼす影響も大きいことが予想されます。大量の知識を暗記して瞬時に思い出すといったことなどは、既にAIにはかないません。これに類する様々なことはAIが担うようになるでしょうから、人にとって「できるとよいこと」は変わっていかざるを得ないでしょう。それにあわせ、子どもが身につけたり、学習すべき内容も変わっていくものと思われます。個人的な推測にすぎませんが、自ら充実できる力、楽しめる力といったものが、今後より一層もとめられる力の1つであり、子どもの時期は思いっきり遊ぶ、何かに没頭できる(充実できる)という経験が必要なのではないかと思います。発達研究に携わるものとして、そうした新たな技術の、子ども達への安全でよりよい利用のあり方と、それらの技術の進展下で育成すべき力とは何かを検討していければと思っております。

BOLDでの調査には、オンラインでご協力いただきますが、ご協力いただく皆さまのご意見もうかがいながら、オンライン調査自体が、お子さまと保護者の皆さまにとって参加しやすく楽しい体験になるようしていけたらと思いますし、お子さまたちにとっての、よりよいオンライン体験やオンライン環境のあり方というのも、皆さまと一緒に追究し、発信していけたらと思っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。

私はこれまで、どのような経験が後々まで思い出されやすいのか、幼少期の経験は後々どれくらい思い出されるのかなど、生涯にわたる思い出に関する研究を行ってきました。乳幼児の記憶の仕方は、児童や成人の記憶の仕方とはもちろん異なりますし、人の思い出は、時間を経て、様々に変わり得ることがわかってきました(このあたりの詳しいことは、次の機会にお伝えできればと思います)。10年ぐらい前までは、思い出のインタビューをしますと、アルバムにおさめた写真の話をきくことが時々ありましたが、最近、思い出に関する記録は、もっぱらデジタルでの保存となりました。きっと、技術の進展により、思い出の記録のされ方、保存のされ方も、さらに新たな方法に変わっていくのかもしれません。

今後とも、私どもの調査にご協力いただけましたらありがたく存じます。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

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