お茶の水女子大学の上原です。
前回、「AI社会をどう生きる?これからの子育て」というテーマで書かせていただきました。今回は少し先の話になりますが、小学校低学年のお子さんのインターネット利用について調査した結果をご紹介します。今から知っておくことで、お子さんの成長に役立てていただければ幸いです。
小学校1年~3年生のお母さん330名以上にご協力いただき、お子さんの好きな遊びや集中しやすい活動、お子さんやお母さんご自身の集中力や飽きっぽさなどの傾向、お母さんの子育てスタイルなどについてお聞きしました。
わかったことで興味深いのは、次の点です。 お子さんに落ち着きのなさや注意の移りやすさがある場合や、お子さんだけでなくお母さんご自身も飽きっぽい傾向がある場合、お子さんがデジタル機器により興味を示すこと。また、実際の遊びのほうが好きだというお子さんでも、「集中しやすいのはオンライン活動」と答えるケースが少なくなかったこと。つまり、インターネットのコンテンツには、好みとは別に、子どもを特に引き込む力があるようです。
一方で、お母さんが適度に見守りや働きかけをしている場合や、お子さんの集中力が高い場合、実際の遊びを好み、そちらに集中する傾向が見られました。 この結果から見えてくるのは、子どもの極度のインターネット依存を防ぐには、保護者の適切な関わりと、子ども自身が集中できる力を育てることが大切だということです。また、お母さんご自身の退屈への向き合い方も、知らず知らずのうちにお子さんに影響を与えている可能性があります。 とはいえ、インターネットを完全に避けることは現実的ではありません。大切なのは、子ども自身が上手につきあえるようになることです。そのために、早い時期から利用のルールを一緒に考えたり、インターネット以外で夢中になれる遊びや活動を見つけたりすることが重要かもしれません。 乳幼児期のお子さんは好奇心旺盛で、いろいろなものに興味を示します。お子さんが特に好きなことを見つけて、一緒に楽しんだり見守ったりすることで、集中する力や充実感を得る力が自然と育っていきます。ただ、インターネットの魅力は大人でも抗いがたいもの。子どもにとって健全なネット環境を、社会全体で考えていく必要がありますね。 本年も、私どもの調査にご協力いただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
*本コラムで紹介した内容に関する文献
Uehara, I., & Ikegaya, Y. (2025). Online orientation in early school grades: Relationship with ADHD, boredom, concentration tendencies, and mothers' parenting styles. Frontiers in Psychology, 16:1592563.