常葉大学保育学部の村上太郎です。保育者養成校と呼ばれる4年生大学で保育士や幼稚園教諭を目指す学生に発達心理学や相談支援に関する科目を主に担当しています。関心があるテーマは、乳幼児期のコミュニケーション能力、もっと言いますと「他者の心を理解する心」の発達について主に取り組んでいます。また、発達に遅れや偏りがみられる子どもへの支援、保護者の相談、保育所や幼稚園、子ども園などで先生方の相談や研修も行っています。

子どもが成長する過程で、ふとしたときに気づかされることがあります。「あれ、この子、こんなことできるようになってたんだ…」「前は泣いていた場面なのに、今日は落ち着いているなあ…」そんな子どもの育ちに目を向けることは、私たち大人にとっても大きな学びです。でもその一方で、たとえばイヤイヤ期——「なんでも嫌!」「ちがうの!」——とぶつかる毎日に、つい気持ちが揺れてしまうことも少なくありません。

● 「親として育つ」ってどういうこと? 子どもが新しい行動を身につけるように、親もまた“新しい反応の仕方”を身につけていきます。 ・子どもの気持ちを言葉にして返してみる ・少しだけ待ってみる ・「今、私もしんどいな」と気づいて休憩する どれも簡単ではないけれど、少しずつ繰り返すうちに、親の中でも“自分なりの子育てスタイル”が育っていきます。

発達心理学では、こうした「親も発達する」という考え方が注目されています。子どもの育ちと親の育ちは、互いに響き合って進んでいく。子どもとの毎日は、親にとっても“試行錯誤しながら育つ日々”なのかもしれません。

● 今日の「困った」も、成長の入り口かもしれない 昨年度、BOLDでは登録されている保護者と一緒にイヤイヤ期についての調査を行いました(「保護者視点からはじまる赤ちゃん調査・イヤイヤ期の子どもについて」をご参照ください )。 ご協力いただいたみなさま、改めましてありがとうございました。結果報告についてはリンクより飛んでご覧いただくとして、細かい話は割愛しますが、イヤイヤ期は、一見すると“問題”に見えるかもしれませんが、子どもの心の中では「自分でやりたい」「自分で決めたい」という芽が育っている時期とされています。そして、その姿と向き合う親の中にも、「相手を理解したい」「一緒に進みたい」という願いが、少しずつ育っているのだと思います。今日の「困った」は、明日の「できた」の入り口かもしれません。慌ただしい日々に追われながらも、ふとした瞬間に(たまにでいいので)視点を変えてみるのも良い気分転換になるかもしれませんね。

● 一人じゃない。気づきを持ちよる「座談会」 「こんなとき、他の人はどうしてるの?」「うちだけじゃないんだって、ホッとした」 そんな声が届いているのが、私たちが開催している保護者向けオンライン座談会です。 テーマは「イヤイヤ期」「子どもの個性」「保育園を選ぶ基準」など、前もってテーマを設定する時もありますし、最近起こった子育ての中のエピソードを自由にお話していきながら共通する話題を見つけていく時もあります。座談会の基本的なルールは「言いっぱなし、聞きっぱなし」です。決して「正解」を押しつける場ではなく、それぞれの気づきや悩みを安心して話せる、ゆるやかな語り合いの場としています。 他の家庭の工夫を聞いたり、自分の想いを少し言葉にしてみたり…そんな時間が、「わたしも少しずつ育ってる」と感じられるきっかけになるかもしれません。 今年度も企画を行う予定ですので(前回より少し期間が空いてしまっていますが…)興味のある方は、次回のご案内をぜひチェックしてみてくださいね。

現在、BOLDでは、「親子で育ち合う」視点に立った調査も計画中です。子どもの成長・発達を見守りながら、少しだけ、自分の変化にも目を向けるきっかけになるような調査になると思いますので、引き続きBOLDの取り組みにご協力をお願いいたします。

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