本調査は、BOLDに登録されている保護者の有志による「保護者視点からはじまる赤ちゃん調査」研究チームが実施する第一弾の調査結果報告です。 「保護者視点からはじまる赤ちゃん調査」は、子育て中の保護者自身が中心となって設計したという特徴があります。通常、子育てに関する調査は研究者や専門家が主体となり、科学的知見を得たり政策立案の参考とするために行われることが多いですが、そうした従来の調査では、保護者自身の視点や経験が十分に反映されないことが課題となることがあります。
そこで本調査では、当事者である保護者自身が調査を企画・実施することで、より実際の子育て現場に即したデータを収集し、保護者が抱える悩みや知恵を共有することを目指しています。このアプローチは、「当事者研究」の考え方に基づいており、保護者が自らの経験を分析し、より実践的で共感性のある解決策を見出すことを目的としています。
特に、子育てが孤立しがちな現状において、他の保護者と経験を共有する機会が少ないという問題もあります。本調査は、こうした孤立感を少しでも和らげ、保護者同士のつながりや相互支援が生まれ、子育てにおける孤立感を少しでも解消できるコミュニティ形成への第一歩となればいいと思っています。
今回の「イヤイヤ期」に焦点を当てた調査は、BOLDを使って行われました。BOLDは子育て中の保護者と発達に興味を持つ研究者をつなげるオンラインプラットフォームです。普段は研究者が企画した調査に研究協力者が参加する形となります。従来からのBOLDを使った調査参加に興味がある方はこちら⭐️をご確認ください。
今回のテーマは「イヤイヤ期」です。アンケートは選択式と自由回答式の質問から構成されています。本報告書（パートI）では主に選択式の質問についての分析を報告します。また今回の調査の特徴として、イヤイヤ期の最中の保護者とこの時期を乗り越えた(終わった)保護者、これからの保護者という三つのグループにアンケートに答えていただいています。グループ間の比較をすることで、イヤイヤ期を客観的に見つめられるのではないかと考えたからです。 なお、アンケートは2024年7月14日から7月末までの期間に実施され、297名の協力を得ました。
イヤイヤ期がこれからの保護者さんや、真っ最中の保護者さんは、イヤイヤ期卒業の保護者さんの意見が、知りたいのではないでしょうか。パートIでは、(1)イヤイヤ期の最中の保護者と(2)この時期を乗り越えた(終わった)保護者、(3)これからの保護者という三つのグループにアンケートに答えていただくことで、イヤイヤ期を複合的にみることに挑戦しました。 詳しい内容はこちら⭐️
皆様が体験した大変なイヤイヤを共有しましょう。そして、どんな場面で起きたのか、どんな理由でイヤイヤしたのかについて知りましょう。 あらかじめ知っておけば、実際に起きた時に少しは冷静でいられるかもしれません… 詳しい内容はこちら⭐️
イヤイヤの種類が分かれば対処法についても知りたくなるのではないでしょうか。皆様が実践しているイヤイヤへの対処法についても分析しました。 詳しい内容はこちら⭐️
（以下は準備中です）
イヤイヤ期調査にご協力いただき、心より感謝申し上げます。この調査は、保護者のみなさまが中心となって企画・実施したものです。皆様から寄せられた貴重な経験や気づきの数々は、同じ子育ての道を歩む仲間として、とても大きな励みとなりました。
イヤイヤ期は確かに心身ともに疲れる時期です。特に、子育ての悩みを共有する機会が限られている今、多くの方が孤立感を感じておられるのではないでしょうか。でも、この調査を通じて、私たちは一人じゃないことを改めて実感することができました。お子さまの成長に寄り添いながら、それぞれの方法で乗り越えていく皆様の経験から、たくさんの知恵と勇気をいただきました。
このレポートが、今まさにイヤイヤ期と向き合っているご家族の方々の支えに、そしてこれから子育ての旅路を歩まれる方々の道しるべになれば幸いです。また、保護者同士のつながりや相互支援を育むきっかけとなることを願っています。
皆様からいただいた経験の数々は、保護者視点からの子育て研究という新しい挑戦の、大切な一歩となりました。これからも、より良い子育て環境の実現に向けて、保護者同士の知恵と経験を分かち合い、積み重ねていければと思います。
共に子育ての道を歩む仲間として、これからも皆様の子育ての旅に心からのエールを送らせていただきます。本当にありがとうございました。
「保護者視点から始まる赤ちゃん調査」研究チーム
サポートする研究者